3D-プリンタの利用が急速に普及し、低価格な機種でも充分に実用的な造形が可能になってきました。3-D プリンターには、① 粉末焼結積層造形方式(SLS(Selective Laser Sintering)、② 光造形方式(SLA(Stereo Lithography Apparatus)、③ インクジェット方式(マルチジェット・プリント方式)、④ インクジェット粉末積層方式(カラージェット・プリント方式)、⑤ 熱溶解積層方式(FDM(Fused Deposition Modeling))などの多くの様式がありますが、「熱溶解積層方式」の3D-プリンタを使用しています。この様式は、光硬化樹脂や粉末材料を使用しないため、比較的安全に利用できます。また、使用する材料の開発も進んでおり、主に使われるPLA樹脂(ポリ乳酸樹脂)は、安価で初心者でも手軽に使用することができます。
3Dプリンター
手軽に利用できる安価な3Dプリンターでも、かなり生後の高いモデルの作成が可能です。ここでは、電子顕微鏡用の部品の作製、レーベンフックの顕微鏡のレプリカの作製などについてご紹介させていただきます。
電子顕微鏡観察に使用する小物部品を作ります。
導電性PLA樹脂
走査電子顕微鏡試料台のように導電性が必要な場合は、導電性を持った樹脂を使います。
導電性PLA樹脂の成分
導電性PLA樹脂の元素分析を行うと「カーボン」が含まれていることがわかります。
導電性PLA樹脂の構造
導電性PLA樹脂を走査電子顕微鏡で観察してみました。プリントするときのラインが見えます。
導電性PLA樹脂の構造
導電性PLA樹脂を走査電子顕微鏡で観察してみました。高倍にすると少しざらついていますが、何とか使えそうです。
導電性PLA樹脂の構造
塗沫標本などを観察するための「カバーグラス」をマウントできる走査電子顕微鏡用の試料台を作ってみました。
導電性PLA樹脂の構造
いろんなタイプの試料台が自由に作製できます。
レーベンフックの顕微鏡(レプリカ)の作製
#D-CADで原図を作成します。
「Fusion360」という3D-CADソフトを使っています。この後、Slicerソフトに入れて、3Dプリンターで出力します。
3Dプリンターで作製した部品
組み立て
出来上がりました。
3DーCADソフト上での3D画像
いろんな方向から見ることができます。
3Dプリンターを使うといろんなことができます。
ライツの顕微鏡の3D-CAD画像
ライツの顕微鏡を3D-CADソフト上で作図して、画像出力しました。
ライツの顕微鏡の3D-CAD画像上でスライス
3D-CAD画像上でスライスすると、簡単に断面図を作成することができます。
顕微鏡を作ってみました
ウェブ上にアップされているデータを使わせていただいて、顕微鏡を作ってみました。この顕微鏡は、「使い捨てカメラ」のレンズを使っています。